この記事ではパティシエとパティシエールの違いについて解説するとともに、仕事内容の違いや歴史、パティシエ・パティシエールになるにはどうしたらいいのかということについてお話ししていきます。
パティシエとパティシエールの違いはなに?
パティシエとパティシエールの違いは性別
パティシエという言葉はもともと、菓子製造人のことを意味するフランス語です。
フランス語にはそれぞれの名詞に男性形と女性形があり、場面によって使い分けなくてはなりません。
パティシエ(pâtissier)は男性形でパティシエール(pâtissière)は女性形です。
日本ではパティシエールという言葉は使われない
日本でパティシエと言えば、ケーキなどの洋菓子を作る職業のことを指します。
しかし、日本では一般的にパティシエールという言葉は使われません。
日本の文法には男性名詞、女性名詞という概念がないため、女性の洋菓子職人のこともパティシエと呼ぶようになりました。
とはいえ、洋菓子店やレストランによっては本場のフランスと同様に、パティシエとパティシエールを使い分けている場所もあることは知っておいた方が良いでしょう。
また、洋菓子職人を表す英語にペストリーシェフ(pastry chef)という単語がありますが、実際はフランス語のパティシエという単語を使用することが多いようです。
英語も日本語と同様に男性名詞、女性名詞と分けることはないため、女性もパティシエと呼んでいます。
仕事内容に違いはある?
パティシエとパティシエールに仕事内容の違いはあるのでしょうか。
結論からお話しすると、性別による仕事の違いはありません。
フランス語の文法の決まりで呼び方を男性と女性で分けているだけなので、パティシエとパティシエールは呼び方が違っても、同じ職業ということになります。
一般的に、男性の方が力仕事の際に有利で、女性の方が繊細さを求められる作業が得意といった性別の違いによる特徴はありますが、基本的な仕事内容は一緒です。
フランスのパティシエは地位が高い職業
フランスにおいてのパティシエは、日本における医者と同じくらいの社会的な地位があるようです。
パティシエの中でも、コンクールで良い成績をおさめる、洋菓子の本場のフランスで働くパティシエは、トップパティシエと呼ばれ、名誉なこととされています。
パティシエの歴史と語源
パティシエの歴史は古い
パティシエの歴史は古く、今から600年ほど前の1440年にはパティシエが職業としてフランスの身分規定に載っていたと言われています。
この頃は職業区分の制約が厳しく砂糖を使った焼き菓子を作ることができなかったため、小麦粉で作られた生地の中に肉や魚、チーズなどを詰めてパテを作っていました。
16〜17世紀になるとマジパンのタルトや折込パイ生地などが作られるようになりました。
18世紀にシェフのアヴィスと弟子のカレムが、シュー生地やメレンゲ、ヴァロ・ヴァン、ラム間、クロカンブーシュといったお菓子を考案し、現代にも通ずるパティスリーの基礎ができました。
パティシエの語源
パティシエの歴史がわかったところで、次は語源についてお話しします。
もともと、教会で聖体拝領用の特別なパン、焼き菓子を作る職人(オブロワイエ)が、挽肉などの詰め物料理であるパスティを作る人となりパスティシエと呼ばれ、それが派生してパティシエになったとされています。
パティシエ・パティシエールになるには
専門学校卒業後に洋菓子店やホテルなどの実際の現場で経験を積み、パティシエ・パティシエールとしての実力をつけるというのが一般的な流れです。
日本国内の洋菓子店やホテルに就職する人もいれば、本場のフランスで働くことをめざす人も。
また、独立して自分でお店を開業したい場合は、コンクールで受賞することで知名度が高くなればチャンスが大きくなります。
また、製菓衛生師や菓子製造技能士などの資格をもっていると独立や開業の際に有利になります。
まとめ
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