今回は知っているようで意外と知らない、パン職人の仕事内容を紹介します。
パン職人(ブーランジェ)の仕事内容とは?
パン職人(ブーランジェ)は、普段どんな仕事をしているのでしょうか。
仕事内容を詳しく見ていきましょう。
パン作り
パン職人のメインの仕事といえば、パン作りです。
パン生地を仕込んだり、形を作ったり(成形)、焼き作業をしたり(焼成)と、パン作りにはさまざまな工程があります。
各工程で担当者が分かれている場合もありますが、全ての工程を1人で行うこともあり、お店によって様々です。
また、開店時間に間に合わせるため朝早くからパン作りを行い、商品を棚に並べます。
パンの焼き加減に注意したり、お客さんがたくさん来るピークの時間に合わせて焼き上がりを調整したり、パン職人は細かく気を配りながらパンを作ります。
接客
売り場で接客を担当するスタッフがいることも多いですが、パン職人自身が接客をする場合もあります。
レジで会計し、お客さんの対応をするのが主な業務です。
イートインやカフェが併設されているお店なら、お客さんにパンや飲み物を提供することもあるでしょう。
商品開発
パン職人として経験を積むと、商品開発を任されることもあります。
商品開発をするには、お店の商品の知識を身に付ける他、どんなお客さんが来店するか十分理解していなければなりません。
他のパン屋の商品を研究することもあるでしょう。
パン作りの仕事に加えて商品開発もすると忙しくなりますが、自分のアイディアを形にできるやりがいのある仕事です。
そのため、「いつかは自分で考えたパンを売りたい」という夢を持つパン職人も多くいます。
その他
厨房や製パン機器を清潔に保つのも、大切な仕事です。
また、パン屋のオーナーになると、材料の発注や経理などの経営に関わる仕事も行います。
パン職人(ブーランジェ)の1日
開店後は、お店によってはパン職人も接客をするところもあります。
また、昼のピークに合わせて引き続きパン作りを行います。
ピークが過ぎたら、翌日分のパン生地を仕込みます。
閉店後は片付けと清掃です。
商品開発のために、閉店後お店に残って試作をする場合も。
1日のスケジュールを見ると「長くて大変」と思うかもしれませんが、実際は早い時間に働くスタッフと、遅い時間に働くスタッフにシフトが分かれていることが多いです。
パン職人(ブーランジェ)のやりがい
パン職人のやりがいは、自分の作ったパンでお客さんを笑顔にできることです。
また、パン職人としての自身の成長を感じてやりがいを感じることもできます。
パン作りは繊細な作業で、計量や成形など各工程にコツが必要です。
経験を積むにつれて丁寧かつスピーディーにパン作りができるようになると、成長を感じられるでしょう。
スキルアップして商品開発に携わるようになると、自分の考えたパンを多くのお客さんに買ってもらえることで、さらに大きなやりがいを感じることができます。
パン職人(ブーランジェ)の大変なところ
どんな仕事にも言えることですが、一人前になるまでに努力が必要です。
最初は掃除や洗い物、決められた量にパン生地を分ける作業(分割)、焼成の補助など下積みの仕事が多いです。
こうした下積みの仕事をこなせるようになって、やっと本格的にパン作りを任されます。
ただし、専門学校などでパン作りを勉強している場合、基本的な技術はしっかり身に付いているので、早い段階でパン作りの仕事を任される可能性が高いです。
パン職人(ブーランジェ)になるには?
パン職人になるには、次の4つの方法があります。
専門学校に通う
パン職人になる最もスタンダードな方法が、製パンを学ぶことができる専門学校に通うことです。
専門学校に通うことで、製パンの知識や技術だけでなく、食品や製菓に関する栄養知識や理論から接客の方法まで学べます。
機材や設備も、実際のお店で使用されているものと同じなど、道具が充実しているのも強みです。
また、実習に力を入れているので、技術をしっかりと身に付けることができるでしょう。
さらに、卒業と同時に「パン製造技能士2級」の資格を取得できる専門学校も多いので、卒業してから試験を受ける必要がありません。
さらに、卒業後の進路をサポートしてもらえる、同じ志を持つ仲間に出会える、というメリットもあるでしょう。
パン屋さんは採用の際に、即戦力を重視している傾向があります。
中には専門学校卒業生限定で求人を出しているお店もあるので、就職のチャンスは大きく広がるでしょう。
大学に通う
大学で経営学を学べば、将来開業するための知識を得ることができるでしょう。
しかし、パン作りの技術や知識を教えてくれる大学はありません。
そのため、大学卒業後に専門学校に通う、パン屋さんでアルバイトをする、などして知識・技術を習得する必要があるでしょう。
とはいえ、大学卒業後に専門学校に入学する、となると、それなりの学費がかかってしまいます。
短期大学に通う
短期大学の中には、製菓・製パンコースを設置しているところもあるので、そこで学ぶ方法もあります。
中にはパン職人になるための専門的な知識や技術を学べるところもありますが、実技の授業があまりない…という学校も少なくありません。
そのため、事前にどのようなカリキュラムで学べるのかをしっかり確認しておく必要があります。
未経験OKなパン屋さんで働く
未経験でも採用してもらえるパン屋さんで働き、現役のパン職人から技術を教わる、という方法もあります。
しかし、料理人と同じで、最初は接客など裏方の仕事からスタートすることになるでしょう。
また、忙しいお店の場合、なかなかしっかりと教えてもらえる時間はありませんし、資格取得に必要な知識までしっかり身につけられるとは限らないでしょう。
基本的な知識や技術をしっかり身につけておきたい、キャリアアップして最終的には独立したい、という場合は、専門学校に通うことをおすすめします。
パン職人(ブーランジェ)におすすめの資格
パン職人になるには、調理師免許などの特別な資格は必要ありません。
しかし、就職やキャリアアップに有効な資格はいくつかあるので、可能な限り取得しておくと良いでしょう。
製菓衛生師
製菓衛生師とは、製菓や食品衛生に関する知識などがあることを認定する国家資格です。
製菓衛生師を取得すると、開業に必要な「食品衛生責任者」の資格取得の際、講座の受講が免除されます。
また、海外で働くために必要な「就労ビザ」の審査も有利になるでしょう。
パン作りにも製菓の知識や技術が必要になる場面も多いので、パン屋さんでの就職の間口が広がる、というメリットもあります。
製菓衛生師の試験を受験するには、2年以上の実務経験か、養成施設で1年以上学ぶことが条件です。
パン製造技能士
パン製造技能士は、パン作りに関する唯一の国家資格です。
特級、1級、2級があり、受験するには2級で2年以上の実務経験、1級は7年以上の実務経験もしくは2級合格後2年以上の実務経験、特級は1級合格後5年以上の実務経験がそれぞれ必要です。
専門学校に通っている場合は、卒業後すぐに2級を受験することができます
パン製造技能士の資格を取得すれば、高い技術力を持っていることの証明になりますし、キャリアアップにも役立ちます。
また、職業訓練指導員免許を取得する際に、有利になるでしょう。
パンシェルジュ検定
製パンの技術をはじめ、器具の使い方や食べ方のマナー、保存方法など、パンに関するさまざまな知識やスキルを取得していることを証明する民間の資格です。
パン職人はもちろん、パンが好きな人たちも多数受験しています。
パンシェルジュベーシック(3級)では、パンの歴史や文化など、基礎知識について出題されます。
パンシェルジュプロフェッショナル(2級)では、基礎知識に加えてマーケットやトレンドなどの知識も必要となるので、パン職人のほかパン教室の講師、食品メーカーの営業担当といった人たちも受験。
パンシェルジュマスター(1級)はさらに高度な知識が必要となるので、ベーカリーやカフェの責任者・コンサルタントなどが受験しています。
サービス接遇検定
高度な接客スキルが身についていることを証明する民間の資格です。
1級、準1級、2級、3級からなり、1級ともなると、高度な接客態度や接客技術が要求されます。
パン職人は、時にお客様への対応を求められることもあります。サービス接遇検定を取得しておけば、いざというときにも慌てずに対応できる接客マナーを身につけることができるでしょう。
パン職人(ブーランジェ)になりたいと思ったら
実際にパン生地に触ってみたりパンを焼いてみたりすることで、パン職人の仕事のイメージがわいてきます。
神戸製菓専門学校では、毎月オープンキャンパスを開催中です。
プロのパン職人が教える本格的なパン作りを、ぜひ体験してみてください。
パン実習見学会も開催しているので、「まずは試しにパン作りを見てみたい」という方も気軽にお越しください。
まとめ
パン職人(ブーランジェ)の主な仕事はパン作りですが、他にも接客や商品開発などさまざまな仕事があります。
パン職人は、自分の作ったパンでお客さんを笑顔にできる素敵な仕事です。
パン職人になりたいと思ったら、まずはプロと一緒に本格的なパン作りを経験してみると仕事のイメージをつかめるでしょう。