日本人に馴染み深い主食の一つとして、現在では様々な種類のパンが作られています。
そんなパンを丹精込めて作っているのがパン職人です。
焼きたてのパンを楽しみに買いに来るお客さんのために、朝早くから豊富な種類のパンを仕込んでいます。
ここではそんなパン職人になるための方法について詳しくお話ししていきます。
仕事内容
街にあるパン屋やレストランのベーカリー担当などでパンを作っている人のことを、パン職人またはブーランジェといいます。
お客さんの食卓に美味しいパンを提供するため、仕込みから成型、焼き、また陳列や接客・販売など様々な業務をこなしています。
朝食に食べられることの多い主食ということもあり、パン職人の朝はとても早い場合が多いです。
例えば朝6時に開店するお店の場合、パンの製造を早朝2~3時ごろから行う必要があります。
焼き上がりまでに時間のかかるパンなどもあるため、開店時に豊富なラインナップを揃えるためには開店の何時間も前から準備しなければ間に合わないのです。
夜明け前に厨房に入り、生地の成型や発酵、焼き作業をして、出来上がったものを商品棚に陳列していきます。
新商品がある場合などはさらに商品名や商品説明のポップの制作などもあり、また新商品自体の制作もしていかなければいけないため、パンを作っているだけではないのです。
パン職人になる方法
一つは、パン製造の知識や技術を身につけることのできる専門学校に通うという方法です。専門学校に通うことで、パン作りというものの基礎からセオリーを踏まえて身につけることができ、パン屋経営のための知識なども学ぶことができます。
また、パン職人として持っておくと有利になる「パン製造技能士」や「製菓衛生師」などの資格の取得を目指すこともできます。
専門学校では就職サポートなども充実しているため、安心して基礎を固めることができます。
もう一つが店舗で働くという方法です。これは、手っ取り早くパン職人を目指す方法としては一番わかりやすいものではないかと思われます。
実際にパン職人のそばで直接指導を受けることができ、お客さんの反応やパンの売れ行きなども肌で感じることができるため、非常に鍛えられる環境でしょう。
しかしながら、専門学校のように時間をかけて丁寧に教えてもらえるというわけではないため、自分から進んで学びにいく姿勢は欠かせません。
パン職人に必要な能力
パン職人の朝は非常に早いです。そのため、まず「朝に強い」というのはパン職人には必須の資質と言われています。
夜明け前に起きてパンの製造をするという生活が当たり前になるため、朝起きられないという人はパン職人になるのが難しいかもしれません。
また、体力もある程度必要になってきます。
早朝からパンを作り始めると、働いている時間がとても長く感じてしまうこともあります。製造業は体力勝負的な面もあるため、体力があるのに越したことはありません。
パン職人のスキルの上達には
配合や温度、水の量、焼き加減など、様々な工程において自分なりの感覚が体に染み込んでいるのです。
そのような感覚を培うためには全ての作業にとことん打ち込む必要があります。毎日同じ作業だとしても飽きることなく黙々と繰り返し、一つ一つの作業の感覚を体に染み込ませていくのです。
そうすることでパンのわずかな違和感にも気づくようになり、だんだんと最も良い状態のパンを常に作ることができるようになっていきます。
パン職人に向いている人
パン職人はその名の通り、四六時中パンに囲まれて仕事をすることになります。朝早くからパンを焼き、お客さんがパンを買っていく姿を見て、またパンを焼く……これはこの上なくパンが好きな人でなければなかなかできません。
新商品の考案なども必要で、味、食感、また実際の売れ行きなどの研究も常にしていくことが大切になります。
1日の大半の時間をパンの香りの中で過ごすことに喜びを感じられる人こそ、パン職人に向いていると言えるでしょう。
また、腕力に関しても実はパン職人に必要な資質です。パン作りの工程では力仕事が意外に多く、大量のパンを運ぶ際や大きな小麦粉の袋を持ち上げる際などにはそれなりの力がいります。
女性のパン職人もたくさんいますが、それなりの腕力は持ち合わせていた方が苦労が少ないかもしれません。
パン職人を目指す人の理由
パン職人の就職先には、街にあるパン屋やレストランのベーカリー部門、有名なベーカリーチェーンなど様々なものがありますが、いずれを志望する人もパンへのこだわりが強い人ばかりです。
『パンが大好きで、小さいころからパン作りをしていた』 『好きなことを仕事にしたいと思い、何が好きかと考えたら真っ先にパンづくりが浮かびました』 など、すでにパン作りの経験があり、プロとして仕事にしていきたいという人も多いようです。
パン職人の活躍の場所
パン職人の仕事はパンの製作であるため、活躍の場となるのはパン屋さんやベーカリーチェーン、ホテルやレストランなどのベーカリー担当、パン工場などが多いです。
求人は決して多くはなく、また雇用形態も契約社員やアルバイトでの採用が多くなっているというのが現状です。
大きな店舗や企業などであれば定期的に正社員採用を行っているところもあるものの、規模の小さいパン屋などの場合は人手が足りなくなったところを補充するという形が一般的になっています。
しかし契約社員やアルバイトとして始めても、スキルアップや勤務態度によっては正社員になれることもあります。
はじめは経済的に苦労することがあるかもしれませんが、好きなことを仕事にするためには耐えることが大事です。
パン職人の1日
パンは朝食として食べられることが多いため、パン屋の開店時間は早いです。
例えば朝7時に開店する場合、パンの仕込みを早朝4時ごろから始めます。朝イチで陳列する分のパンを開店前に焼き上げます。
開店と同時にパンは順調に売れていきます。開店後は接客もしながらお昼時に向けてさらにパンを焼いていき、並べていきます。開店してからのパン作りは、お客さんへの対応もあるため開店前よりも大変なようです。
お昼を過ぎると、交代で休憩をとりながら、売り切れた分のパンを補充するために再び焼いていきます。夕方を過ぎると、徐々に次の日の仕込みも始めていきます。
19時ごろには閉店し、その後は店内の片付けをして1日の業務が終了となります。
パン職人の現状と将来について
現在の日本ではお米の消費量が減ってきており、特にお年寄りを中心に幅広い世代の方にパンが親しまれています。
特に朝食や昼食、また小腹が空いた時の軽食として、片手で手軽に食べられるパンの人気は高まってきているようです。
しかしながら世間の人々が必ずしもパン屋に行ってパンを買うのかといえば、そうとも限りません。
実は最近ではコンビニのパンの質が良くなってきており、24時間いつでも、安価で買えるコンビニパンを食べる人も増えてきているのです。
パン屋のパンがコンビニのパンに対抗する場合、その決め手は何と言っても手作りでしか出せない味や香り、そして食感です。
パンの需要が高まっている今だからこそ、パン職人はコンビニのパンと圧倒的な差をつけることができる手作りパンを作る必要があります。
まとめ
日本でのパンの需要や人気は現在、非常に高まっており、コンビニパンにいかにして対抗するかというのがパン職人のパン作りの課題となっています。
味や香り、食感を研究し、手作りパンの価値を高められるパン職人が今、求められているでしょう。
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