パン屋・パン職人の将来性が不安な方へ「製粉会社の見解」とは?

2022.08.02 | 製パン本科(昼1年制)オープンキャンパス

最近は物価の値上がりが著しく、ニュースでもよく耳にします。「製パン業界やパン屋の未来って大丈夫なの?」「パン職人の仕事に将来性はあるの?」など、不安を感じている方も多いのではないでしょうか?

今回、パン作りには欠かせない材料である「小麦粉」を扱う、国内大手企業の日清製粉株式会社様に製粉会社としての見解をお聞きしました。

 

今回お答えいただいたのは、日清製粉株式会社 大阪営業部の中村太一様です。

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皆さまは小麦の価格がどのように決まるかご存知でしょうか?小麦の価格は1年に2回改定され、政府が6ヶ月間に購入した小麦の買い付け価格の平均で決定します。直近の10年間、小麦価格で大きな変動はありませんでした。

現在、ロシア、ウクライナの戦争の影響により、大豆、トウモロコシ、小麦等の穀物が世界的に高い水準となっています。小麦の相場は、2022年3月1400ドル/bsh(※1)だったところから2022年7月800ドル/bshにまで落ち着いてきたものの円安が続いており、次回政府より発表される輸入小麦の価格改定も値上げとなる見込みです。
(※1)bsh(ブッシェル)…体積の単位。小麦1ブッシェルの重量は約27.2㎏。

また最近、再構築事業としてパン屋を立ち上げる企業も増えています。高級食パン専門店が大きなブームになりましたが、最近ではカヌレやブリオッシュドーナツといったものがトレンドとなっています。ECサイトで販売するお店も増えてきており、話題のパン・スイーツの情報や、お店のサービス内容をネットで探す人も多くなりました。世間からのニーズももちろんのこと、業界では製パンの知識をもった働き手も渇望されています。

事業主の方の声を聞く機会も多いのですが、今は応用力をもった人材が求められています。パン作りをただの決まった作業としてやっていると、その日の気温や湿度で発酵の進み方が違ったとき、どのように修正すればいいのかがわかりません。自ら考えて行動に移すことができる、専門学校で学んだ皆様が今必要とされています。学校にいる間しかできない失敗をたくさん経験して、どうしたらリカバリーできるのかをわかるようになってほしいと思います。

また、技術はもちろんですが、チームでやるのがパン作りですので、会話のキャッチボールをしっかりできるかどうかも採用時に見られているポイントです。一緒に働くメンバー、そしてお客さまとの会話も大切です。学校や就職先での繋がりは、今後独立したりするときなど必ず自分の助けとなってくれるでしょう。

小麦の種類に応じて用途がここまで多岐に渡るのは世界でも日本だけです。パンを好きになって、ぜひ材料にもこだわって作っていただけたらと思います。

 

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