ただ、どの分野で何が学べるのか、いまいち分かりづらいですよね。
この記事では、製菓・調理・栄養の学ぶ内容の違いや、将来どんな職業になれるかの違いについて紹介します。
将来やりたいことや、なりたいものから分野を探せるので、食に関わる仕事がしたいという方は、ぜひチェックしてみてください。
学ぶ内容の違い
まずは、製菓専門学校・調理師専門学校・栄養専門学校では何を学ぶのか、それぞれの違いについて見ていきましょう。
製菓専門学校
お菓子作りの技術をメインに学ぶため、実習が多いのが特徴です。
その他、食品学や食品衛生学、栄養学についても学ぶので、食品の基礎知識もしっかり身に付きます。
製菓専門学校で学ぶこと
・お菓子を作る技術
お菓子作りのプロが使うような器具やオーブンなどを使って、実習でお菓子作りを学びます。
・パンを作る技術
実習形式でパン作りを学びます。
調理師専門学校でもパンを学べるコースがありますが、調理+製パン、または製菓+製パンのように、パン作りだけを専門に学べるわけではないことが多いです。
・カフェのフード、スイーツ、ドリンクなどを作る技術
カフェオーナーやバリスタを目指す学科・コースを設置している製菓専門学校は多いです。
お菓子作りとパン作りの技術の他、カフェフード、ドリンクなど、カフェで提供するものの作り方を総合的に学びます。
・製菓理論
お菓子の材料である粉・卵・砂糖・バターの特性は?どうすれば生地が上手くふくらむの?など、おいしいお菓子を安定して作るための理論を、実習や座学で学びます。
・食品学
食品に含まれる成分や加工法などについての知識を、授業で学びます。
・食品衛生学
アレルギーや添加物など食品の安全衛生についての知識を、授業で学びます。
・栄養学
食品が人の体にもらたす影響についての知識を、授業で学びます。
調理師専門学校
料理を作る技術をメインに学ぶので、実習が多いです。
製菓専門学校と同じく、食品学や食品衛生学、栄養学などの食品の基礎知識についても学びます。
調理師専門学校で学ぶこと
・料理を作る技術
日本料理・西洋料理・中国料理など、さまざまなジャンルの料理の調理実習を行います。
・調理理論
食材の特性や、加熱時の適温、調味料の量など、おいしい料理を安定して作るための理論を、実習や座学で学びます。
・食文化
各国の食の歴史や、調理の特徴、献立のルールなどを学びます。
・外国語
調理師は、お客様や仕事仲間とのコミュニケーションで外国語が必要になる可能性が高いため、外国語を学ぶ調理師専門学校も多いです。
・食品学
・食品衛生学
・栄養学
調理師専門学校でも、食品に関する基礎知識を学びます。
栄養専門学校
栄養専門学校では、食で健康を支えるために必要な知識を学びます。
製菓・調理と大きく違うポイントは、お菓子作りや調理のプロを目指すわけではないというところです。
栄養専門学校で学ぶこと
・食品学
・食品衛生学
・栄養学
栄養専門学校では、製菓専門学校や調理師専門学校よりさらに詳しく食品に関する基礎知識を勉強します。
・社会生活と健康
健康や病気に関する知識、保健・医療・福祉などの社会の制度に関する知識を身に付けます。
・人体の構造と機能
人体の構造を理解し、食事・運動などが人体にもたらす影響を学びます。
・栄養の指導
栄養士が個人や集団に栄養指導を行うために必要な基礎知識や、指導の手法を学びます。
・給食の運営
給食を作る業務に必要な、食事計画の方法や調理の方法などを習得します。
目指せる職業や就職先の違い
製菓・調理・栄養では学ぶ内容が違うため、将来目指せる職業もそれぞれ異なります。
製菓・調理・栄養それぞれの分野で目指せる職業と就職先は、次の通りです。
製菓
・パティシエ
-パティスリー(ケーキ屋さん)
-レストラン、カフェ
-ホテル
-ブライダル
-お菓子メーカーの工場
・和菓子職人
-和菓子専門店
-食品メーカー
・パン職人
-パン屋さん
-スーパーの中にあるパン屋さん
-レストランのベーカリー部門
-パンメーカー
・カフェオーナー、バリスタ
-カフェ
調理
・調理師
-レストラン、カフェ
-居酒屋
-ホテル
-学校
-福祉施設
栄養
・栄養士・管理栄養士
-学校
-病院
-社員食堂
-福祉施設
-研究機関
職業ごとの進路の選択肢
では、ここからは各分野の代表的な職業を挙げて、その職業に就くためにはどうすれば良いのかを紹介します。
【製菓】パティシエになるには
製菓の代表的な職業・パティシエは、お菓子作りのプロとして活躍します。
パティシエになるには、製菓専門学校に通うのが一般的なルートです。
製菓衛生師や菓子製造技能士の資格を取得するのがおすすめで、製菓衛生師を在学中に取得できる学校もあります。
パティスリー(ケーキ屋さん)やホテルなど色々な就職先があり、お店を開業するパティシエも多いです。
【調理】調理師になるには
調理の分野では、調理師を目指す人が多いです。
調理師は、レストランやホテルなどで提供する料理を作ったり、学校給食や福祉施設の食事などの大量調理をしたりする仕事です。
料理を作る仕事の中でも、調理師免許を持っている人だけが調理師と名乗ることができます。
調理師専門学校(厚生労働大臣指定)に1年以上通って卒業すると、調理師免許が得られます。
また、一般大学や高校の普通科を卒業した場合でも、2年以上実務経験を積んで調理師の国家試験を受験すれば、調理師になることが可能です。
【栄養】栄養士・管理栄養士になるには
栄養の分野では、栄養士や管理栄養士が代表的な職業です。
栄養士・管理栄養士ともに、個人や集団に対して献立を考えたり、食事や栄養のアドバイスをしたりするのが仕事です。
栄養士は主に健康な人に対して指導をしますが、管理栄養士は健康な人に限らず、病気の人や食物アレルギーのある人など幅広く指導するため、より専門的な知識が必要になります。
そのため、栄養士→管理栄養士の順番にステップアップするのが一般的です。
厚生労働大臣指定の大学・短期大学・専門学校を卒業すると、試験を受けずに栄養士になれます。
その後、学校に通った年数に応じて実務経験を積むことで、管理栄養士の国家試験を受けられるようになります。
こんな人は製菓専門学校がおすすめ!
まずは、お店やレストラン、ホテルなどでお菓子やパンを作るプロになりたい人です。
・ケーキ屋さんやレストラン、ホテルなどでお菓子を作るパティシエになりたい
・和菓子職人になりたい
・パンを作るパン職人になりたい
ここからは他の分野の内容も少し絡んでくるので、判断が難しいため、詳しく解説していきます。
・食物アレルギー対応のお菓子が作れるパティシエになりたい
「パティシエになりたい」ということはお菓子の作り方を学ぶ必要があるため、製菓専門学校へ進学することになります。
「食物アレルギー」に注目すると一見栄養の分野かと思いがちですが、最初に紹介した通り、製菓専門学校でも食物アレルギーをはじめ食品の基礎知識について学びます。
食物アレルギーの人のためのお菓子を自分で作りたいなら製菓専門学校、食物アレルギーの人にアドバイスをしたいなら栄養専門学校と考えると分かりやすいでしょう。
・オリジナルのケーキ、洋菓子、和菓子、パンのアイディアを考えて作りたい
製菓専門学校に通って、パティシエ、和菓子職人、パン職人などになると、ゆくゆくはお店で出す商品のアイディアを考えられるようになります。
商品企画についても学べる製菓専門学校もあります。
栄養専門学校の場合は、企業の商品企画部に所属してアイディア出しまでするのが仕事です。
実際に作って販売するのは、工場やお店にいるパティシエ、和菓子職人、パン職人です。
・将来カフェを開きたい
例えば「チーズケーキのおいしいお店」というように、人気のカフェにはイチオシ商品があります。
カフェではスイーツやパンがイチオシ商品になることが多いので、製菓専門学校でしっかりお菓子やパン作りについて学ぶのがおすすめです。
カフェに関する学科やコース、ゼミのある製菓専門学校なら、お菓子作りやパン作りの技術を中心に、ドリンクやフードの作り方、メニュー開発についても学べます。
ただしカフェフードを売りにしたい場合は、調理師専門学校でも良いでしょう。
まとめ
製菓・調理・栄養、どれも食に関する分野ですが、学べることや将来できることは違います。
大まかに、次のように区別すると良いでしょう。
・製菓:お菓子作りのプロになる
・調理:料理のプロになる
・栄養:健康な食事の指導をする
「自分のやりたいことは、どの分野・学校ならできるんだろう?」「多分この分野だと思うけど、合ってるかな?」と迷ったら、オープンキャンパスや個別相談に行って話を聞いてみるのがおすすめです。
しっかり調べて、やりたいことができる学校を見つけてくださいね。
パティシエを目指すなら神戸製菓専門学校で学びませんか?
パティシエや和菓子職人、カフェオーナーなどを目指したいのであれば、神戸の中心・三宮駅から徒歩10分のところにある神戸製菓専門学校がおすすめです。
製菓本科では、在学中に国家資格「製菓衛生師」の取得を目指すことができ、卒業後は国家検定「菓子製造技能士2級」の受験資格も得られます。
なお、国家資格「製菓衛生師」の合格率は2年連続100%です。




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