みなさんはパンが膨らむ理由をご存知でしょうか?
パンが膨らむ理由を知っておくと、パン作りの腕も上達しやすくなりますよ。
この記事では、パンが膨らむ仕組みと、パンが膨らまない原因、その対策について解説していきます。
パンが膨らむ仕組みを理解しよう
パンが膨らむ理由はいくつかあります。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
酵母(イースト)による作用
パンが膨らむ理由は、材料として使われている酵母(イースト)にあります。
酵母(イースト)は微生物であり、パン作りに使われるのは、パン酵母です。
酵母(イースト)には、生地に含まれている糖を発酵させるはたらきがあり、炭酸ガスやアルコールを発生させます。この作用によって、パン生地が膨張します。
グルテンによる作用
しかし、生み出されたガスが外に漏れてしまっては、生地は十分に膨らみません。
パンを上手に膨らませるために大事なのが、小麦粉に含まれるグルテンです。
グルテンはたんぱく質の一種で、炭酸ガスの気泡を包み込んで外に漏れにくくするので、パンが上手に膨らみます。
化学反応による作用
酵母(イースト)やグルテンの働きで生地は膨らみますが、さらにしっかりと膨らませるために、ベーキングパウダーや重曹などを加えることもあります。
ケーキやクッキーを作るときに、それらを使ったことがある方も多いのではないでしょうか。
重曹の主な成分は炭酸水素ナトリウムで、ベーキングパウダーの主な成分は炭酸水素ナトリウムと酒石酸です。
これらを生地に加えて加熱すると、二酸化炭素や水蒸気を発生させるので、より生地が膨らみます。
空気の膨張による作用
生地を作るとき、種類によっては、空気をたっぷりと含ませることがあります。
例えば、スポンジケーキには空気を十分に含ませた方が、上手な仕上がりに。
生地に取り込まれた空気は、加熱することで膨張します。
生地に含まれた空気が、オーブンなどで加熱されて膨張することによって、パンやお菓子が膨らむという作用もあります。
水蒸気による作用
パンやお菓子を作るとき、材料に水を使用することが多くあります。
例えば、パイやシュークリームなどを作るときには、水は欠かせません。
生地に取り込まれた水分が、オーブンで加熱されることで水蒸気になり、その体積が増えることも、パンやお菓子が膨らむ理由のひとつです。
水1mlに対して、水蒸気の体積は約1700倍になると言われています。
パンが膨らまない原因と対策
パン生地が上手に膨らまないときは、必ず原因があります。
考えられる原因とその対策について、解説していきます。
材料の計算が間違っている
材料の入れ忘れや入れ過ぎがあると、パン生地が上手に膨らまなくなります。
慣れないうちはレシピ通りの材料で、しっかりと量を測って用意するようにしましょう。
配合のバランスが良くない
ライ麦・全粒粉・米粉などを使用したパンは、配合率が高すぎると膨らみにくくなります。
全体の粉量に対して、10〜30%を目安にするのがおすすめです。
酵母(イースト)が古い
酵母(イースト)は、古いものを使ったり、保存状態が悪いものを使ったりすると、発酵力が弱くなります。
一度開封したものは、なるべく空気に触れないように密閉し、冷蔵保存しましょう。
冷凍保存できるものであっても、早めに使い切ることをおすすめします。
「こね」や「成形」が悪い
パン生地の「こね」が足りない場合も、膨らみにくくなります。
十分にこねられていないと、グルテンの作用が弱まります。
それによって、炭酸ガスを生地内に保持することができず、外へ出て行ってしまうので、上手に膨らまなくなります。
また、成形時に、とじ目が閉じられていない、きつく丸めすぎといったことも、生地が膨らまない原因になります。
発酵不足または発酵過多
酵母(イースト)が活発に活動する温度帯は、30~40℃です。
気温が低い冬場は、発酵器やオーブンの発酵機能や40℃の湯せんをするのがおすすめ。
発酵が十分でないと、パン生地中のガスの量が少なくなって膨らまず、固いパンになってしまいます。しっかり発酵させてからオーブンで焼きましょう。
反対に、発酵し過ぎも良くありません。
二次発酵をしすぎてしまうと、グルテンが炭酸ガスの保持力の限界を超え、それ以上膨張できなくなって、焼いても膨らまなくなります。
オーブンの温度が適切でない
オーブンの温度が低過ぎたり、高過ぎたりすることも、パンが膨らまない原因になります。
パン生地は、オーブンに入れて最初の5分くらいで一気に膨らむので、予熱をしていないとパンが膨らむタイミングを逃してしまいます。
また、オーブンの温度が高すぎると、パン生地の表面のみが先に固まってしまい、生地の中から膨らむ作用が起こっても、膨らまなくなってしまうので注意しましょう。
まとめ
パンが膨らむ理由や膨らまない原因、その対策についてご説明してきました。
ぜひこの記事を参考に、パンが上手に膨らむように試行錯誤してみてくださいね。
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